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クラシック音楽に詳しい方がご存じのヴァイオリン名曲(後編)

クラシック音楽を比較的聴き込んだ方がご存じであろうヴァイオリン名曲の後編です。今回は次の4曲を取り上げます。

・ベートーヴェン クロイツェルソナタ
・モーツァルト ヴァイオリン協奏曲 3番5番
・フランク ヴァイオリンソナタ
・バッハ ヴァイオリン協奏曲1番、二つのヴァイオリンのための協奏曲

引き続き曲自体についてはウィキペディアにも詳しい情報がありますので、簡単に留めました。また、該当CDのAmazonへのリンクを張りました(広告リンク付きですが、収益よりも著作権問題の回避が主な目的です。ご了承下さい)。一部には試聴できるものもありますが、PCでは視聴できてもiOSでは動作しないようです。その点にもご容赦下さい。

ベートーヴェン クロイツェルソナタ

スプリングソナタに並ぶ有名なベートーヴェンのヴァイオリン曲です。音楽としての影響力はスプリングソナタよりもクロイツェルソナタの方が高いでしょう。なお、この「クロイツェル」はヴァイオリンを学ぶ人が皆通る練習曲の「クロイツェル」の人物です(ただしクロイツェル自身はこの曲を弾かなかったそうです)。

とても厳しい音楽とも言えますし、トルストイの「クロイツェルソナタ」のような解釈もできるかと思います。ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲と並んで「崇高な精神」を体現した曲とも言えます(そういう音楽の聴き方は前時代的とも言えるかもしれませんが、音楽がとても大事にされた時代の象徴的な曲と思います)。

今回多くの録音を改めて聴き直しましたが、やはりドイツ系の演奏家が空々しくなく曲の持ち味を生かすように思えます。スプリングソナタでもご紹介したカール・ズスケ盤も推奨できますが、古いアドルフ・ブッシュの演奏を是非聴いてみて頂きたいと思います。ピアノもルドルフ・ゼルキンでとても素敵な演奏と思います。CDのリンクを付けますが、Youtubeなどでも見つかります。

音楽的な内容がとても深い曲ですし、協奏曲的で技術的にも高度です。一般的なレッスンで取り上げられる事はあまり無いと思いますが、ぜひ1楽章の主題だけでも弾いてみて下さい。単純な四分音符の連続でもベートーヴェンの音楽にあふれています。ベートーヴェンが偉大と言われる理由が理解できるかもしれません。

「ブッシュのベートーヴェン ヴァイオリンソナタ」Amazonではこちら(試聴なしです)
このCDは現在入手困難ですが、音源はYoutubeにもあります

 

モーツァルト ヴァイオリン協奏曲 3番5番

モーツァルトの天才性を発揮した曲です。この曲が書かれたのはまだモーツァルトが10代だった頃。文字通り何のストレスもなく自然に音が上がって下がってくる。全ての音が落ち着くべきところにある、というタイプの曲です。聴いても弾いてもエバーグリーンの天才とはこういうものなのかと納得させられる曲です。

定番中の定番はアルトゥール・グリュミオーの演奏でしょう。グリュミオーならではの美音と余計な表情をほとんど付け加えない演奏スタイルがこの曲にとても似合っています。また、クレーメルの最近の録音も他の演奏家の演奏とはかなり異なった演奏ですがとても生き生きした演奏でモーツァルトの新解釈になり得る演奏として推奨できます。

技術的にもそれほど困難な箇所はありませんし、多くの教室でレッスンの課題になる曲です。ところがこの曲を生きたものにするのは至難の業で、うまく弾けるのは余計な邪念のない子供か限られたモーツァルト弾きのみとも言われます。わたしももちろん弾きこなせないのですが、モーツァルトはイメージ以上に昔の人で、例えばハイドンなどと同世代の人物であることを意識して、きっちり弾く事がまずは要求されるのだろうと考えています。

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フランク ヴァイオリンソナタ

フランクのヴァイオリンソナタはヴァイオリンのリサイタルで最も多く演奏される曲では無いかと思います。漂うような1楽章に始まって、強い感情の錯綜する2楽章、タイトル通り幻想的な3楽章、そして、それまでの総集編、集大成とも言える4楽章と、音楽のストーリーとして波瀾万丈ですし、色彩感あふれる響きがとても素敵な曲です。

推奨できる録音としてデュメイ&ピリスを挙げました。美音ですし充分満足頂けるかと思います。でも、往年の演奏家ティボー&コルトーの演奏が定番中の定番でぜひ聴いてみて欲しいと思います。録音の古さもあり不安定な音程や揺れるリズムが「どこがいいの?」とわたしも最初は思いましたが、確かにこれは歴史に残るべき演奏と長い時間をかかって理解できるようになりました。

レッスンでの課題としては取り上げられる事は多くないかもしれません。楽譜を一見するに単純に見えるかもしれませんが、フランスの音楽らしくリズムは複雑ですし、転調も多く臨時記号も多数出てきて最初は譜読みに苦労するかもしれません。でも、ぜひ全曲通して弾いてみて頂きたい曲です。ヴァイオリンの音色の良さが最大限に現れた曲とも言えます。

「デュメイ&ピリスのフランク ヴァイオリンソナタ」Amazonではこちら(試聴ありです)
試聴可能のためこの2016年版にリンクをしましたが2014年版の方がAmazonでは多少割安です

 

バッハ ヴァイオリン協奏曲1番、二つのヴァイオリンのための協奏曲

ヴァイオリンを弾く人にはとても有名な曲です。二つのヴァイオリンのための協奏曲の1楽章や協奏曲1番はヴァイオリン弾き全てが通る道とも言えるでしょう。

特に「二つのヴァイオリン〜」は名手同士の競演も多くありますし、ハイフェッツ盤やクレーメル盤など多重録音で1st 2ndともひとりの演奏家が弾いたものもあります。演奏者によってテンポも大幅に違いますし、バロック演奏の見直しもあり、演奏スタイルが変わりつつある現在進行形の曲です。

そのため推奨できる音源は一つには決められないのですが、学習用としてはダヴィド・オイストラフとイーゴリ・オイストラフ親子の競演のものを推奨します。遅めのテンポで説得力のある語り口の演奏です。

二つのヴァイオリンのための協奏曲の1楽章は合奏の練習としても多くの教室で課題になるでしょうし、弾けなければいけない曲でもあります。でも、1楽章だけでなく各楽章とも素敵な曲で1st 2ndともぜひ取り組んでみて頂きたいと思います。また協奏曲1番も一生ものになりうる名曲です。

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これはブラームスの協奏曲にて紹介のディスクと同じです。重複してお求めになさりませぬようご注意下さい。

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