ストラディヴァリ・モデル、グァルネリ・モデル、アマティ・モデル、グァダニーニ・モデルといった、名器をモデルにしたヴァイオリンがあります。比較的安価なヴァイオリンでも各種モデルが用意されています。
ですが、このモデルごとの違いがあまりよく分からなく選びようがない場合があるかと思います。そこで、ここでは極力シンプルに、モデルごとの違い音に関してを中心にお話しさせて頂きたいと思います。
ストラディヴァリ(Stradivari)には有名な製作家が3人いるが、そのうちアントニオ・ストラディヴァリ(17世紀〜18世紀イタリアの製作家)をモデルにしたヴァイオリン。1715年前後の楽器をモデルにしたものが多い。高音成分が多めの華やかな音になっているヴァイオリンが多い。
活字のようなf字孔、胴体上部と下部が横方向に直線的、Cバウツの上下のカーブがきついこと、膨らみがやや大きめの胴体などが外観上の特徴となるものが多い。
グァルネリ(Guarneri)には有名なヴァイオリン製作家が5人いるが、そのうちグァルネリ・デル・ジェス(ジュゼッペ・バルトロメオ・グァルネリの俗称:18世紀のイタリアの製作家)をモデルにしたヴァイオリン。1735〜1740年前後の楽器をモデルにしたものが多く見られる。低音成分が多めの重い音の楽器が多い。
長く尖ったf字孔、カーブのゆるいCバウツ、膨らみの少ない胴体などが外観上の特徴
一般的には、グァルネリ・モデルは小型で弾きやすく感じ、かつ、音の面でも好印象になる場合が多いと感じる。
アマティ(Amati)には有名なヴァイオリン製作家が5人いるが、そのうちニコロ・アマティ(17世紀イタリアの製作家)をモデルにした楽器。耳に優しい柔らかい音、(その分音量は少ない)になっている場合が多い。
丸っこい胴体の形、同じく丸っこいf字孔、ふくらみの大きい胴体などが外観上の特徴
グァダニーニ(Guadagnini)には有名なヴァイオリン製作家が7人ほどいるが、そのうち、ジョバンニ・バティスタ・グァダニーニ(18世紀イタリアの製作家)をモデルにした楽器が多い。1750年頃の楽器をモデルにした楽器が多い。音色の特徴は中音域の多い大きな音だが、モデルの楽器で本物の音に近い楽器に出会ったことはわたしはない。
楕円(洋なし状)のf字孔、横幅の広い胴体、ふくらみの少ない胴体などが外観上の特徴。
どのモデルだから良いというわけではありませんし、ストラディヴァリ・モデルの価値が高いというわけでもありません。ぜひ、各々のモデルの特徴を知った上で、全て弾いてみて頂きたいと思います。