自分のヴァイオリンを使っていく上で、色や見た目も少なからず大切な要素になります。わたし自身は基本的には音色を中心に選びますが、見た目など音に直接関係ない要素に満足する部分も多少はあります。
新品でもピカピカで新しく見えるものがあったり、逆に古いヴァイオリンに見えるような仕上げをしていたりします。また、スクロール(上部の渦巻きです)も、パフリング(ヴァイオリンのフチにある2本の黒い線)も、色も黒っぽいものから黄色っぽいものまでヴァイオリンによってさまざまです※1。
ご自分で気に入ったものを選べば良いわけですが、見た目で選ぶときのポイントをひとつ。
見た目の上で、卑屈な感じのするものは極力避けた方が良いということです。同じ価格帯でも「卑屈な、嫌な感じ」のするヴァイオリンがあります。何が違うのか言葉で説明するのは難しいのですが、スクロールや色や全体的な雰囲気など「卑屈な感じ」があるのは避けた方が良いと言えます※2。
先生や友人、また、楽器店の店員さんなど周りの意見を聞くことも大事ですが、むしろ周りの意見を聞いた結果不満足のまま使っているというケースも多いようです。お友達に自慢するときにどうしてそれを選んだか言えるくらい、気に入ったポイントが明確になっていれば最高です。最終的にはご自分がもっとも気に入ったものを選ぶと良い買い物になるはずです。
※1 中間かつ最頻のものは赤みがかったオレンジ色あたりになり、赤紫→赤→オレンジ→黄色→茶色といったレンジになります。特に古い楽器の場合は色と音色は関係があり(ニスの質や製作の流派の関係上)、色に近い感じの音色を持っていることが多々あります。赤みが強いときつい感じの音、黄色や茶色に近いと比較的柔らかめの音がすることがよくあります(必ずしもそうではない)。
※2 卑屈な感じのするものは、古い楽器の場合は実際に板が歪んでいたりなどのトラブルを持っていることがあります。また、新しい楽器でもよく見るとネックやペグがまっすぐについていなかったりする場合があります。これらは音色や実用性に影響しますので見た目もバカにできない要素になります。ついでですが、嫌な雰囲気があるお店は絶対に避けるべきです。