ヴァイオリンや弓は高額なことが多く、楽器に関する節約は大きな節約につながります。
大量生産の製品と違い、ヴァイオリンや弓はひとつひとつ違った音がします。同じ製作家の楽器でも音は違うし、駒や魂柱のちょっとした違いも大きく音が変わります。まして、古い楽器ですと過去の修理修復が全て音を変えます。従って、名前や生産国で選ぶのはあまり良い方法ではありません。
また、製作家の名前や生産国、来歴など文字にできる情報は容易に人をだますことができます。まして、将来音が良くなるとか、価値が上がるといった情報は何の根拠もありません。今、良い音の楽器でなければ、将来良い音になる可能性は低いし、現在音の良い楽器は既に値段が高くなっている場合が大半です。
また先生も楽器について詳しいわけではありません。一般書と楽器店から聞いた情報を持っていることと、自分の使っている楽器のレベルまででしか判断をすることができません。
悲観的なことばかりを言うようですが、結局、株や不動産など多くの投資と同じで、良い買い物をするには多くのひとが気がつかないうちに先回りして買っておく以上の方法はありません。値段も製作家名も見ないで、「これは良い音!」「良い顔をしている!」と思う楽器を選び、それが割安と思ったら自分を信じて「買い!」ということです。
もちろん、そのためには書籍や先生・楽器店からの情報も参考にしつつ、できる限り多くの楽器を見て・触ってをすることをおすすめします。面倒ですが、良い買い物をしたいのなら自分で勉強することが必要です。楽して良い思いをすることは絶対にありません。
自分ではわからないと思われるかもしれません。ですが、持ってみる・はじいてみるだけでもわかることはたくさんあります。ぜひとも、見て触って「体験」をしてみて頂きたいと思います。