クラシック音楽の世界は多くの部分が縁故で成り立っています。先生と生徒の結びつきが非常に強く、そのため先生のイベントには生徒が何らかの形で協力する必要が出てくる場合もあります。
典型的な例としては、先生が演奏するコンサートのチケットを販売する負担が生じることがあります。生徒が先生からチケットをまとめて買い取り、それを友人知人に売ると言うことになります※。要するに無料奉仕か生徒の負担で営業をして来いと言うことです。生徒の側にとってみれば、正直言ってこれは不快なことです。
このことからも分かるように、有名な先生と言え、集客に苦労するのがクラシック音楽のコンサートの現状です。それを下支えするのが生徒の場合も少なくありません。
政治家のパーティー券と同じようなものと言ってもよいと思いますが、クラシック音楽の世界で生きるためには、伝統的なやり方に則って、こういった負担が生じることも知識として持っておく方が良いかと思います。
※友人知人とはいえ必ずしもクラシック音楽が好きな人ばかりではないため、大幅な値引きして販売することになったり、無料で差し上げることになります。わたし自身かつて生徒さんにそれをやってしまったことがありますが、やはり生徒さんにとっては不快なことだっただろうと今では思います。
先生の求心力低下、音大のブランド神話の失墜などで、こういった習慣は以前よりは薄らいできてはいると思いますが、まだまだ残っていると聞きます。