プロだ、アマチュアだ、と区別するのは好みませんが、多くのプロは最終的に出てくる音楽を重視するのに対して、多くのアマチュアは見た目のスタイルを重視する傾向があるように思えます。
例えば、肩当てを付ける、付けないの話など、「しょーもない」議論が繰り返されているし、「ヴァイオリンは左手で持ってはならず、あごで支えるのだ」と言った無茶な要求が通用してしまっています。
実際、プロはどう考えているか。プロは、些末なスタイルなどは気にしておらず、「音楽を通じて何を語るのか」を重視していることが、この本を読むとよく分かります。
五本の柱〜ヴァイオリン道 修行の旅 田中千香士 レッスンの友社
具体的に「このテクニックはこのように弾くと解決する」といった本ではなく、漫然とヴァイオリンの話題が書かれています。気楽に読めるけれど、勉強になった気はしない。
しかし、書いてあることのひとつひとつが、ヴァイオリン演奏の要(案外気がつきにくいタイプの、それも非常に重要な)だったりします。特に弓のテクニックを重視している点も、他の本には見られない特徴です。
ヴァイオリンは左手より右手の方が難しいのです。これもなかなか気がつきにくいポイントかもしれませんね。
ハウツーものではないけれども、ヴァイオリンを弾くときに、ぜひとも心に留めておきたいことが、この本に詰まっています。おすすめです。
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