フィンガリング(指遣い)を工夫することで、速いパッセージがとても楽に弾ける場合があります。
ソロ曲の場合はたいてい校訂譜(フィンガリングやボーイング(弓順)などが書かれた楽譜)を使うことが多く、自分でフィンガリングやボーイングを考えることは多くありません。
ですが、オーケストラの場合には、通常、フィンガリングは任意です。つまり、フィンガリングを自分で決めることになるのです。
フィンガリングを決めるときのポイントとしては、次のことが挙げられます。
そのために、普段あまり使用しない偶数ポジション(セカンドポジションなど)や開放弦、フラジオレット(ハーモニクス)を使用した方が、弾きやすい場合があります。
人によっては、開放弦やフラジオレットの使用を極端に嫌う場合があります。確かに、開放弦・フラジオレットはその部分だけ突出して聞こえるため、できれば避けた方が良いとは思います。
ですが、開放弦を使うことで速いパッセージが容易に弾けるのなら、開放弦を使って構わないと思います。むしろ、その方が望ましいとすら思います※。合奏の場合、音色の不揃いよりは、音程を外す方が致命的だからです。
また、開放弦やフラジオレットは、その部分が正しい音程になるだけでなく、それまでの音程のずれに気がつく、という効果もあります。
難しいところは、できるだけ容易に。そのことで、全体としてはより美しい響きになります。速いパッセージを楽に弾くための参考になれば幸いです。
※もちろん、できる限り、音楽性を重視したフィンガリングが望ましいというのは、言うまでもありません。