ヴァイオリンの「きれいではない音」で分かりやすいのはノイズです。音楽で求められる「楽音」以外に出てしまう意図しない音です。
ノイズにはさまざまな原因がありますが、何らかの原因で弦が異常振動をしていることによるノイズと、ヴァイオリンを弾く際には必ず出てしまうノイズがあります。
異常振動は弓の圧力が強過ぎで弦の振動を阻害した音(ギコギコする音です)、弓が弦に対して斜めに動いて弦が捻れた運動をしている音(ジュブブブみたいな音)などです。こういったノイズは弓の圧力を減らす、弓を弦に対して直角に動かすなど原因を取り除けば比較的簡単に解決できます。
一方、ヴァイオリンを弾く限り必ず出るノイズとして、弓が弦をシューと擦るノイズは多かれ少なかれ出る音です。これは無くすことはできませんので、楽音との比率で目立たなくすることが対処になります※。すなわちきちんと音を出すという対処が必要で難易度がこちらは高くなります。駒からの適切な距離で弾くこと、適切な弓の速さで弾くこと、楽器を振動させるための適切なエネルギーで弾くこと、が主な対処になるでしょう。
良い音を出そうとして解決がわからない場合、「ノイズを出さない」と「ノイズが目立たないようにきちんと音を出す」の2つに問題を切り分けて解決を試みてはと思います。
※S/N比を高くということになります。松脂や弦の種類、楽器の調整で目立たなくできますが、完全な除去は不可能です。