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ヴァイオリン、チェロはスタープレイヤーが多く現れる楽器です。ヴァイオリン属の擦弦楽器は演奏家によって音が異なるし、歌わせ方にも個人差があるためか、演奏家によって同じ曲の印象が変わってくる事が多々あります。イメージとしては、落語の噺家によって同じ演目でも面白くなったりつまらなくなったりするようなものでしょうか。
映画のスターシステムを音楽に持ち込んだように思えなくはありませんが、現在も名を残す名演奏家の演奏を聴くと、つまらないと思っていた曲が面白く感じたりするのだから興味深いものです。よく魔術師・魔法使いという言われ方をしますが、名演奏家が弾くと本当に引き込まれる・別世界へ連れて行かれますので、「魔法」といった表現は誇張ではないと思います。
案外、ヴァイオリンを弾く側は演奏家について知らないもので、自分と先生とテレビによく出演する国内の演奏家だけがヴァイオリンの世界だったりする事がありますが、世界には何人か「魔法」を使える人がいるものです。
「魔法」の存在を知ると、あれもこれもと同じ曲を違う演奏家の演奏で聴きたくなるものです。これはお金さえあれば得られる事ですので手軽です。
わたし自身は、まずは書籍を通じて上手な演奏家を知っては、CDを買ったり、図書館で借りたり、テレビ放送があれば録画し、コンサートに行ったりすることを随分やりました。多くの愛好家と同じように、ヤッシャ・ハイフェッツが自分にとっての最初のスーパースターでハイフェッツから多くの演奏家へと興味が移っていった面があります。
また、まずは持ち方・構え方と言った見た目からそういった名演奏家のマネをしていたこともあります。当時は今のようにDVDが安くないし、Youtubeもありませんので、写真とたまに放映されるテレビ映像からマネをするわけですが、今になって思えばこれがとても勉強になったと思っています。
演奏家を知ることもヴァイオリンの楽しみと言えます。まずは、ハイフェッツの弾くツィゴイネルワイゼンや序奏とロンドカプリチオーゾ、グリュミオーの弾くバッハの無伴奏やモーツァルトのヴァイオリン協奏曲などをお聴きになってみてはと思います。「魔法」の意味がおわかり頂ければと願っています。