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「ヴァイオリンをとりあえず弾ける」と言えるレベルはどのくらいか?もちろん、この問いへの答えはひとによって考えが異なる問いでもあります。きらきら星が弾ければ「とりあえず弾ける」とも言えますし、パガニーニのカプリースが全曲弾けて、「とりあえず弾ける」ということも出来ます。
けれども、一般的な意味で「とりあえず弾ける」レベルがどのくらいか分かっていると目標を定めやすくなるかと思います。
わたし自身は、バッハの2つのヴァイオリンのための協奏曲(BWV1043)の1楽章あたりが「とりあえず弾ける」レベルと考えています。このあたりの曲になってくると、曲らしくなってくるし、技術的にも一番重要な技術に関してはとりあえずこなしたと言うことになります。また、ここまで弾ければオーケストラやアンサンブルなどで楽しむ事も出来るようになってきます。
イメージ的には小学校の4年生になったという感じでしょうか。何となく勉強とはどういうものか分かるようになり、また学校社会というのが分かりかけてくる年代でしょう。また、言っている事も論旨が整ってくる頃でもあります。
ただし、音色や音程などクオリティ面は全く別問題ですので、バッハのBWV1043が弾ければ胸を張って自慢できるというわけではありません。「とりあえず弾ける」ことと「聴くに堪える演奏をする」ことは全く次元が異なります。小学校の算数で三角形の面積が計算できるようになったからといって数学と胸を張って言えるわけではないのと似ています※。
バッハのBWV1043あたりからヴァイオリンの勉強が始まると言えます。一般的にはヘンデルのソナタやバッハの協奏曲、小品をいくつかこなし、アッコーライやヴィオッティの協奏曲へと進めていく事が多いかと思いますし、教本もカイザーからクロイツェルへと進んでいきます。技術的には、より高いポジション、速いパッセージ、重音・和音などをこなして行く事になります。こういった比較的高度な曲や技術をこなせるようになると、ヴァイオリンが面白いかどうかが分かるようになってくるかと思います。
とりあえず弾けるというレベルがどのくらいのものかご参考にして頂ければ幸いに存じます。
※汚い音でバッハが弾けても価値は全くないし、もちろん音程が大きくずれているのは問題外です。音色や音程ひとつを取っても、バッハのBWV1043は一生弾き続ける価値のある曲と思います。