ヴァイオリン教室「ヴァイオリンがわかる!」

ヴァイオリン教室「ヴァイオリンがわかる!」はヴァイオリンに対して熱意を持って取り組んでいる方を応援します。

教える側のモラル、教わる側のモラル

SNSの発達で#MeTooに代表されるように「革命」が進行しつつあります。政治、スポーツ、映画、音楽など多くの分野でパワハラ、セクハラ、暴力疑惑で権力の座から降ろされ、隠蔽疑惑で権力側が社会から糾弾される事件が続発しています。業界から干したつもりだった権力側が逆に社会から干されるようになっているのです。

ヴァイオリンの世界は清潔そうに見えるかもしれませんが、この世界にも裏の顔があります。少なくとも少し前まではヴァイオリンの世界はカネ・コネの世界で「力ある側」の理不尽な要求にも従わざるを得ませんでした。わたしにも実体験はありますし、様々な噂も少なからず聞きます。

けれども現在では、有名人や大企業など権力に頼らなくても簡単に世界デビューはできるし、音響技術・情報技術・交通手段の発達で音楽活動に要するコストも大変低くなりました。その結果、従来の形での音楽ビジネスは成立しなくなり、それに伴って肩書きが意味をなさなくなりつつあります。Youtubeの動画を見る時に肩書きは見ないものですし、肩書きで再生回数が増えるわけではありません。

このシリーズでは「ヴァイオリンの世界のモラル」をテーマに書かせて頂きたいと思います。各種ハラスメントの具体的事例をあげつらうわけではありません。教える側として「教える側と教わる側とのあるべき関係」について思うことを書かせて頂く形にしたいと思います。指導側から生徒側へのハラスメントはもちろんですが、生徒側から指導側へのハラスメントも少なからずあるものと感じます。それについても取り上げたいと思います。

「指導側が生徒側の人生・人格を、また逆に生徒側が指導側の人生・人格を否定することがハラスメント」と考えます。このことに気づかない指導者も生徒も多いように思えます。別の言い方をするとハラスメントを避けるためには指導者も生徒も互いの人生・人格尊重をしあう事です。指導者は生徒を支配するものでは無いし、生徒も指導者に甘えるものでもありません。自分に求められる課題を互いに誠実に遂行すること。それが好ましい関係構築につながるのだろうと思います。

次回以降、テーマ毎に書かせて頂きたいと思います。

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