よく合奏の指導として「指揮者を見なさい」と言われたり、「コンサートマスター(パートリーダー、トップ)に合わせて」と言われたり、「隣の人と合わせて」と言われたりします。特にどれも間違っているわけではありませんが、「じゃあ、誰に合わせたらいいのか」となってしまうとも言えます。
原則的にはコンサートマスターなどそのパートのリーダーに合わせるものと考えて頂きたいと思います。コンサートマスターを凝視する必要はなく、視界の一部に入っていれば良いと言えますが、コンサートマスターの動きに同期するようにと弾く事になります。弓の動きに合わせてと言われる事も多々ありますが、左手の動きにも合わせようとすると同期させやすくなると思います。
指揮者を見なくて良いわけではなく、指揮者も視界の一部に入っている必要はあります。けれども、オーケストラは縦型の社会であり、管理職(コンサートマスター、パートリーダー)を介して、全員に伝える事になります。指揮者からダイレクトに各団員が合わせるだけであればコンサートマスターは不要で、だからこそコンサートマスターは強い権限を持っているものと言えます。
指揮者のいないアンサンブルであれば、もちろんコンサートマスターやトップに合わせる事になります。
アンサンブルはひとつのパートがひとつの楽器のようになるのが理想的です。良いアンサンブルにするヒントにして頂ければ幸いです。