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まずはチューニングから:合奏のヒント1

オーケストラや室内楽など合奏をなさっている方も多いかと思います。ソロであっても、ピアノなどの伴奏を伴う事が多く、ヴァイオリンを弾く上で合奏の知識は必要と言えます。

合奏の注意事項というと一般的に「相手と呼吸を合わせて」、「指揮者をよく見て」、「隣の人と合わせて」などと言われることが多いかと思います。それは間違ってはいませんが、それ以前の問題が数多くあるように思えます。

ここでは何回かに分けて、オーケストラなどソロ曲以外で合奏をする上でのヒントをお話しさせて頂きたいと思います。

まずはチューニングについて。

オーケストラであれば一般的にオーボエのAの音に合わせてコンサートマスターがチューニングをし、その音に合わせて各パートがチューニングをします。現実的にはA線をチューニングメータで合わせていることも多いかと思います。それは良いのですが、各弦ともきちんとチューニングメータで合わせることを推奨したいと思います。

多くの団体で、各自が5度の和音(隣り合う弦を開放弦で弾く)でチューニングを行うことが普通のようですが、はっきり言ってチューニングは全然合っていません。がーがーと大きな音ではチューニングは合いませんし、弦を擦る駒からの距離や圧力で開放弦の音程は大きく変わってしまいます。また、全員がきちんとチューニングする前に練習に入ってしまう事も多くあります。

チューニングをきちんと行うには高度な技術が必要ですし、結構時間がかかるものです。けれども、チューニングをいい加減にしていては、ハーモニーも音程もあったものではありませんし、合奏をする意味すら疑いたくなることがあります。

チェロやコントラバスも含めて、全員がきちんとチューニングメータで各弦を合わせるだけで、かなり響きは変わってきます。「そんなの素人っぽくて」と思われるかもしれませんが、チューニングの合っていない楽器で合奏をすることの方がよほど「素人」と言えます。スタイルよりも実質を重んじて頂きたいと思います。

ぜひ一度お試し頂ければと思います。

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