普通の曲はある一定のパターンで出来ている場合が多々あります。その都度リズムが全く変わってしまう曲は少なく同様のリズムが何度も出てくる場合が多いし、音が上がったり下がったりするのも似たようなパターンが変形をしながら出てくることが多いと言えます。例えば次のようなパターンが「よくあるパターン」のひとつと言えるでしょう。同じリズム・音の変化のパターンで、最初のミの音から次第に音程が下がってくることになります。
弓順(ボーイング順)・指づかい(フィンガリング)を考える上では、「演奏のコスト」が低くなるようにと工夫することが一つのアイディアになり得ます。演奏のコストを低くというのは工業製品のコストダウンと同じで、似たような部品は共通にすることで製造を容易にする、などの発想と同じと思って下さい。
上記のパターンの場合、ボーイングについては様々なやり方が考えられますが、
down・down・up | down・down・up | down・down・up | down・down・up
と1拍単位で同じにするか、もしくは次のように2拍単位で
down・up・down | up・down・up | down・up・down | up・down・up
などと同じボーイングを繰り返す方が、その都度違ったボーイングにするより、「演奏のコスト」は低く抑えることができます。
フィンガリングについても、その都度5th→4th→3rd→2ndとポジション移動をして
321 | 321 | 321 | 321
などと同じフィンガリングにした方が、3rdポジションと1stポジションにこだわって、3拍目でポジション移動する
432 | 321 | 213 | 432
というフィンガリングより容易に弾くことが出来る場合があります。
特にフィンガリングについては同様の音型のパターンを同じフィンガリングで弾くことで、かなり容易に弾くことが出来る場合があります。上記の例は単純なパターンですが、#や♭など臨時記号が多数付いて同じパターンが半音単位で移動するパターンが出てくることもしばしばあり、こういう場合は可能な限り同じフィンガリングにすると容易に弾くことが出来る場合があります。
1stポジションと3rdポジション以外のポジションが苦手だからと思われるかもしれませんが、こういったアイディアが使えないか試みてはと思います。