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「良い楽器は上達につながる」は楽器店や指導者もしばしば口にするセリフです。こういった話は真実とセールストークの見分けが付かないため、疑いを持って接する必要があります。また、指導者と楽器店とが「グル」になっている場合も少なからずあるので、油断はできません。
しかし、私の体験から、「良い楽器に学ぶことは多い」「機会があれば良い楽器をぜひ弾いてみて欲しい」と主張したいと思います※。
ヴァイオリンの「良い楽器」はめちゃくちゃに高いです。本当に何千万円〜何億円します。滅多なことでは購入できない額ですが、楽器店によってはレンタルできたり、展示会などで試奏できる場合もありますので、ある意味誰にでも弾ける状況にあります。
弾く側が謙虚になって、楽器が心地よく歌えるように弾いてあげると、そういう楽器は本当に美しい音、そして信じられないくらい大きな音で歌ってくれます。力任せに弾いても歌ってくれないし、力を抜き過ぎても歌いません。弾くときの適切な加減、それが「正しい」ヴァイオリンの弾き方と言えると思います。
演奏時の適切な加減を知るには「良い楽器」が一番厳しい先生になるのです。
2に続きます。2では、試奏の時のポイントをお話ししたいと思います。
※ここで言う「良い楽器」は1700年代の古い名器のことと思ってください。