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月曜日の関東圏の地震、皆様はご無事でしたでしょうか?わたしは愛知にいたので気が付かなかったのですが、東日本大震災と同じような時間でもあり、嫁さんは怖かったと言っておりました。皆様に大きな被害が無かったことを願っております。なお、うちはCDの山が倒壊しました。今月頭に整理せねばと猛省したものの、反省しただけでした。
土曜日は東京にて、日曜日・月曜日は愛知にてレッスン。特に月曜日は臨時レッスンも含め朝9時から10コマと満員以上に大変多くの方にお越し頂きました。お越し頂いた皆様有難うございました。
レッスンにお越し頂いた方から、なぜヴァイオリンにはフレットが無いのかといった趣旨のご質問を頂いた。音程を取るのが大変というお気持ちからとも思うが、とても良い質問と思うし、楽器や音楽全体に関連する意味あるご質問と思う。
ヴァイオリン属に近い擦弦楽器のヴィオラ・ダ・ガンバにはフレットが付いている。普通の意味では、音程を取るにはフレットがあった方が便利なはずで弦楽器には遙かに昔からフレットに相当するものが付いていた。ヴァイオリン属でそれをあえて無くしたのは音程の容易さ以上のメリットがあったのだろう。純正律の音程を取るために無くなったともされるが、もっと積極的な理由があったとわたしは思う。
フレットレスの理由は実際のところはわたしには分からないが、事実として左手のタッチで音はかなり変化する。フレットが付くと一本調子な音になるのだが、フレットが無いからこそ「ヴァイオリンの表情豊かな音」が出せることが最大のメリットなのだろうかと想像する。「フレットなくしたら音がスーパークールじゃん。微妙な音程も取れるし、いろんな音が出せるし、フレットの位置を調整するのはめんどくせーし※」というようなノリで普及をしたのかもしれないと想像する。理屈や実利性だけでなく、誰かの感動から無数の感動へと蓄積されることで淘汰に勝ち残ったものとわたしは思いたい。
※ヴィオラ・ダ・ガンバのフレットでガットをネックに巻き付けたもので、演奏する曲の調性によって位置を微調整したそうです。多分、位置の調整はめんどくさかったと思います。ギターなど撥弦楽器にフレットがあるのは音を伸ばすためでしょう。擦弦楽器は音を伸ばすのは弓でできるのでフレットレスでも実用になったはずです。
思いつきでプレーンガットをネックに巻いてみた粗悪な工作。音の表情は無くなりますが
予想ほど音色は変化しなかったです。ヴィオラ・ダ・ガンバは品の良い上流階級の楽器、
ヴァイオリンは品が悪いとされたのは表情豊かなことの裏返しかもしれません。