将来的な売却価格について:買い換えのヒント5


将来売却するときのことを考えてヴァイオリンを購入に至るケースもあるかと思います。よくヴァイオリンは値が下がらないなどと言われますが、あまりこの手の話を信用すべきではないと考えます。

絶対確実な投資があるわけがありません。当たり前のことなのに、あまりにこういった話を信用する方が多いように思えます。需要より供給が少なければ値段が上がり、需要より供給が多ければ値段が下がる。ヴァイオリンの価格も特別なことはなくこの原則に従って動いています。

将来売却するときのことを考えると、有名製作家によるもので、製作者名がはっきりしていて、鑑定書・証明書などが付いていた方が売りやすいとは思います。また、傷・使用感が少ない方が好まれる。すなわち使わないで飾っておくのが一番高く売ることができるでしょう。

また売却時の価格は、オークション(ヤフオクなどではなく、サザビーズなどのオークションです)の価格と思うべきです。それは多くの場合は店頭価格の1/3程度です。つまり、購入時点で既に売却価格は下がっていることになります。

単純にお金の算段として、そんな商品に投資して何の意味があるのでしょう?自分で価格を動かすことができるのでない限り手を出すべきではない投資商品です。

やはり、自分で使って音に・見た目に満足し、日常の中の癒しのひとときになることが楽器の価値になるのではないかと思います。仕事に使うものであれば、聴き手に対して満足を与えることができて、それだけの対価が見込まれることが楽器の価値になります。

売却価格のことを考えて楽器を購入するのは、わたしは推奨できません。「売るときには高く買いますよ」という言葉には冷静になって頂きたいと思います。

※値段が上がる楽器:ある程度の数があり、でも、新たな供給が見込まれないもの。そして、ある程度の音の実力があり、有名人が使用すること。その結果人気が出る。概して新品の時点でも値段が高いことは多い。ヴァイオリンだけでなく、エレキギターなどでも、同じ理由で高値になっている(1959年のギブソン・レスポールは5000万円程度が現在の相場)。


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