楽器を使った練習:効率的練習のヒント4
楽器を使った技術的な練習には、一般的な認識に少しばかり誤解があるように思えます。
毎日その都度完璧にできるまで練習するなんて事は普通のひとには不可能と考えるべきです。根性論・精神論でグラウンド一周ウサギ跳びをするくらいに滑稽なことと捉えるべきです(スポ根はわたしは嫌いではありませんが)。
できるまで何十回も繰り返すよりも、各々の課題に対して毎日2回ずつのみ弾くようにするの方が上達が早くなる場合があります。実際、回数を繰り返すだけの練習は「下手になるための練習」をしていることが多く、むしろ少ない回数に限って練習をした方が好ましい方向に成長できるように思えます。
楽器を使った練習(特に通し練習は)、数回/日が限度と考えます。後は、うまく弾けない箇所の練習(これは回数が必要になる場合があります)をお勧めします。
また、消音器の使用を嫌う方もおられますが、わたしは積極的に使うべきと思います。よほど環境が恵まれているのでなければ都市圏では音を出すことも困難な場合が多いと思います。
消音器を使えばパーフェクトな条件とは言えなくても「練習」はできるわけで、練習できないよりはよほど良いと思います。音色が消音器のあるなしで違うし、若干弾き方も異なります。また、駒やヴァイオリンを傷めるリスクもあります。それでも、消音器を使うメリットは大きいと考えます。
もちろん、メトロノーム、チューナーや録音機も積極活用するべきです。クラシック音楽では「正しく弾く」ことが「上達」で、「味のある演奏」が「上達」ではありません。
ぜひとも、必要以上の回数を行おうともせず、パーフェクトな条件を整えようとせず、「正しく弾く」練習をなさっていただきたいと思います。
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