松脂と弓の毛、弓の質 - 弓をまっすぐに動かすヒント6
弓をまっすぐ動かすためには、弓の毛の状態と松脂の質・量も関係します。松脂を塗っていない弓の毛ではプロの演奏家であっても弓はまっすぐに動かないはずです。
松脂は少なすぎても、逆に多く塗りすぎても、好ましくありません。弓の毛と弦が充分に引っかかる加減が適切な加減となります。その適切な加減は、昔は3往復と言われていましたが、現代の松脂では普段使用する時は1往復もすれば充分のように思えます。
また、松脂の質も弓の動きに影響をおよぼします。廉価なセットヴァイオリンに付属の松脂は、弓と弦の引っかかりが不充分な場合があり、松脂を替えることで弓がまっすぐに動くようになることがあります。比較的定評のある松脂(わたしはベルナーデルかギヨームがお勧めできると思っています)をお試しになるとボーイングがやりやすくなる場合があります。
弓の毛があまりにも古くなってしまっている場合や、弓の質が悪い場合も弓は素直に動きにくくなります。弓の毛は可能なら1年に1度は交換なさることをお勧めしたいと思います。また、弓自体の質でも、ボーイングが容易になったり難しくなったりするので、機会ある時に良い弓をお試しになって頂きたいと思います。購入するかしないかに関わらず、何が原因になっているかを知っておくのはプラスに働くはずです。
ボーイングの良し悪しは、演奏者の腕だけではありません。弓の具合にも大きく左右することを知っておいてはと思います。
←Back
Next→
ヴァイオリン演奏のヒント
トップ
(C)Caprice