右手の親指が痛くなる:弾くと身体が痛くなる3
右手の親指が痛くなる場合があります。主に指先が痛くなりますが、親指の付け根が痛くなる場合もあります。
結論を言えば、これは「弓をしっかり持ち過ぎ」に起因するものですが、弓は「生まれたてのヒナを持ち上げる」程度の加減と分かっていても、強く持ってしまう場合があります。強く持ってしまう根本原因は「充分に音が出ていない」という思いによるもので、鳴りが悪く感じるのは原因が多くあります。
楽器の調整が悪い場合、楽器自体が鳴らない場合、松脂が充分に付いていない場合などが容易に思い当たります。弓の毛が古くなり過ぎて松脂が付かなくなっている場合がありますし、弦が古いためさえない音になっている場合もあります。このあたりはヴァイオリンの先生や楽器屋さんの意見を聞くのが適切な判断になるでしょう。
また、普段弾いている部屋があまりに響かない場合も原因になり得ます。和室やじゅうたん、カーテンなど音を吸収するものが多い部屋で弾いていると、無理に音を出そうとする習慣が付いてしまう場合があります。ヴァイオリンをはじめ西洋の古い楽器は、石造りの建物など響く環境での演奏を想定していたと思われ、極端に響かない環境では楽器にも身体にも無理をかけてしまうことになりかねません。
ひどく右手の親指が痛むような場合は、まずは楽器の整備と、環境が許せば、試しによく響く部屋や狭い部屋で弾いてみてはいかがでしょうか?よく響いて気分が良いだけではなく、実際に無理のない弾き方になって良い音になる場合があります。無理の無い弾き方になれば、痛みも減少するはずです。
痛みの根本原因を解決する参考にしていただければと思います。
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