本番で「緊張しない」方法は?-曲を練習する方法14
いよいよ本番を迎えました。なにもコンサートホールで大勢の聴衆を前にしたコンサートだけが本番だけでなく、毎回のレッスンも本番のひとつでしょう。
「本番」では大抵の人は緊張します。わたしだって楽屋で奇声をあげたくなるし、トイレに何度も行きます。弦が切れたりしないか、本番中お腹が痛くならないか心配になります。そんな時に新聞の取材が入ったりすると(わたしにもそう言うことはあったのです)無神経さにムカつきます。
「緊張しない方法」「あがらない方法」をわたしは知りません。カール・フレッシュ「ヴァイオリン演奏の技法」の下巻に詳しいし、"「あがり」を克服する"というそのものズバリの書籍もありますが、わたしにはピンときません※。
わたし自身解決方法を知っているわけではありませんが、自分なりに心がけていることをお話しさせていただきます。
うまく弾けても、うまく弾けなくても、まあそんなもんだと思うことにしています。本番では完全でなくても気にしない方が良いし、むしろ完全には弾けないものと思っていた方が良い。よく言われるように、練習時に120%の完成度にして本番で100%にすれば良いと思います。
ホールでのリハーサルでも、細かく練習したり、うるさいことを言わない方が良い。ホールリハは結合テストのようなもので、思わぬトラブルが生じないか確認することが目的です。明らかに実害のあるトラブルでなければ余計なことをしない方が良いようです。
「緊張」「不安」は待ち時間に増大します。本番時に起こり得るトラブルを妄想する時間があると、不安が大きくなって、あれこれと練習したくなりします。これをやると妄想が妄想を呼び、不安がより大きくなってデフレスパイラルに陥ります。時間ぎりぎりに行動する方がいいかもしれません。
つまるところ、ルーズで、責任感が無く、いい加減な人になりきることは、緊張しないで本番をこなす方法になりそうです。本番は「てきと~」にと考えてみてはいかがでしょうか?(練習はちゃんとやらないとだめですよ)
「緊張」の解決にはなっていませんが、ヒントになれば幸いです。
※各本の目次
→カール・フレッシュ ヴァイオリン演奏の技法 下巻
→カトー・ハヴァシュ 「あがり」を克服する
←Back Next→
ヴァイオリン演奏のヒント
トップ
(C)Caprice