生徒募集の宣伝方法:ヴァイオリン教師という仕事4
ヴァイオリン教室の宣伝方法は前時代的です。都市圏では生徒が数人の教室も少なくないほど競争が激しいのにもかかわらず、宣伝方法は「生徒募集」のチラシを楽器店などに置かせてもらうのと、大した内容のないWebサイト、気が利く教室なら電話帳という感じでしょうか。
生徒募集のチラシでさえも、「講師名、出身音大、場所、レッスン時間、レッスン料」程度の情報しかないのが大半です。これはレストランに例えるのなら、「シェフ名、出身料理学校、お店の場所、料金」程度の情報しかないチラシと同じことです。そんな能書きよりも「何が食べられるか」「おいしい食事ができるのか」がお客様には大事です。
かつてはヴァイオリンの世界でも、一流音大に行きコンクールで良い成績を収めれば、演奏家や指導者として成功できると信じられてきました。演奏家や指導者が貴重だった時代はそれでよかったのでしょう。ですが、今は都市圏には演奏家も指導者も多くいるし、情報だって豊富、1000円で名演奏家のCDが買えます。そんな中で、出身音大だけを見て生徒が来てもらえると思っているのでは甘過ぎます。
教わる側にとって大事なのは、「先生が弾けるか」ではなく「自分自身が弾けるようになるか」です。指導者自身の出身音大やコンクール歴よりも、「自分の知りたいことを教えてもらえるか」「何を、どう教えるか」が教わる側は知りたい情報のはずです※。残念ながら、いろんな教室のWebサイトやチラシを見る限り、教わる側=お客様が何を知りたいかを把握している先生はそれほど多くないです。
先生自身の演奏技術は指導内容に無関係とは言いません。ですが、教わる側=お客様の気持ちを全く無視した指導者があまりにも多いのが現実です。自分で弾けても、上達させてあげることができないのでは指導者として失格です。先生を選ぶときには、チラシなどからも教わる側の気持ちを考えているかをチェックしてみると良いかと思います。
※わたし自身は、大人だけクラシック音楽だけに限定し、得意分野も音色などの基礎技術面と絞らせていただいています。実際得意なのはその部分です。いまどき、「何でも食べられる洋食屋さん」では良心的とは思えません。
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