レッスン時間の長さ:ヴァイオリン教師という仕事3



教室によってレッスン時間にはかなり幅があります。短い教室では20分、長い教室では90分という場合もあります。このレッスン時間の長さは、教育的効果よりも経済的な理由の方が優先されているように思えます。

収益増加にはレッスン時間を短くする方法があります。レッスン時間が60分よりは45分、45分よりは30分の方が安価に、でも時給換算では高くなる価格設定になっている場合が多いようです。この方が教わる側としてはお手頃感が出てくるし、教える側も回転率を上げられるため金銭的メリットがあります(この方がやる気のない先生には楽というメリットもあります)。

教育的効果の上では時間が長いから良い、短いからダメということではありません。30分で充分教えられる技量を持った先生ならその方が良いですし、子供の場合は集中力が持続しないけれども比較的頻繁に通うことができるため、短く頻繁の方が教育的効果も高いとも言えます。

わたしのやっているような大人向けのレッスンでは、少なくともわたしには30分では短すぎて教えられません。レッスン時間が30分の場合は入れ替えや準備、チューニングの時間を入れると実質20分です。音階を少し弾いてもらい、曲を少し弾いてもらったらそれで終わりになり、何も伝えることはできなくなってしまいます。

わたしのところには、お忙しい中何とか時間を作ってお越しになっている方が多くいらっしゃいます。遠方からお越しの方、直前にならないと予定が決まらない方、頻繁にお越しになれない方もいらっしゃいます。社会人は忙しい。そのため、子供向けのような悠長なレッスンとは違い、大人に対しては1回1回密度の濃いレッスンをしなくてはとわたしは考えています※。

もちろん、ゆっくり時間をかけて進めていきたいという方もいらっしゃるかと思います。それはそれでよいことと思います。必要なのは目的にあっているかです。レッスン時間の長さを含め、ご自分の目的にあった教室を探してみてはいかがでしょうか?

※うちの場合、公称50分ですが実際は65分程度になる場合が多く、雑談などはなくみっちりぎっしりでも少し延びてしまいます。それでも、必要な技術を「今すぐ、この場で」できるようにするには時間が全然足りません。受ける側には非常に疲れるかと思いますが、暇人でも遊び半分でもないと信じてそのようにやらせて頂いています。

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