先生だってレッスン前は緊張します - 教える側の気持ち



教える側だって緊張します。少なくともわたしは教える際に非常に緊張します。

レッスンを受ける時に「うまく弾けるだろうか」「怒られることはないだろうか」と教わる側が緊張する気持ちはよく分かります。わたしも、レッスンを受ける時には緊張しますし、うまく弾けるように練習していきます。

ですが、教える側も緊張するし、入念に練習・予習をしていることはご存じでしょうか?他の先生がどのようになさっているか分かりませんが、少なくともわたしは、教える曲とレッスン内容の予習をします※1。

初めていらっしゃる方をレッスンする時は特に緊張します。教える内容のレベルも複数のパターンを考えるし、曲も問題になりそうな箇所を把握しながら曲の最初から最後まで練習することになります。また、2回目以降の方には、「前回話した内容ができていればこんな内容を」「できていなければ、今度はこういう切り口で」と、前回話した内容をチェックしながら、指導のプランを考えます。

レッスンはある意味ライブです。うまく説明できれば良い反応が返ってくるものです。逆に、教える側でもうまく説明できなかったと思う場合もあります。そのため、人前で演奏する時と同様に、高確率でうまく説明するには練習とイメージトレーニングが必要と考えています※2。

レッスンを受ける側が教える側の都合を考える必要は無いと思います。それはコンサートで演奏者の都合を聴衆は気にしないのと同じです。ですが、教える側も決して思いつきでレッスンをしているわけではありません。その事を知っていれば、素直に多くのことを学ぶことができるかと思います。

※1 わたしの先生も練習しておられた様子でした。レッスン室に入る前に、レッスンを受ける曲が聞こえてきて緊張を覚えたものです。

※2 高度な難しい曲だから練習・予習をするわけではありません。むしろ、「きらきら星」のような曲や「持ち方」「姿勢」と言った初歩の指導の方が難しいため入念な予習が必要になります。

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