チューニングのやり方(実践編)-ヴァイオリンの取説
チューニングは数多くのハードルがあります。音を覚えること、和音が弾けること、弾きながらペグが回せることなどです。これらは、ある程度弾けることが前提になってしまい、これから始める方、始めたばかりの方には大変に高いハードルかと思います。
普通はチューニング自体ではなく、音楽を弾くことが目的と思います。チューニングでつまずいているよりも、どんどん音楽を弾いた方が良いとわたしは思います。否定的な意見もありますが、最初はチューニングメーターを使用し、弦をはじきながら一本ずつ合わせる、ので構わないと思います。
ですが、ここでは一般的に行われている方法をご紹介します。合奏するようになったり、習うようになったりすると必要になるためです。ヴァイオリンの世界は遅れていると思われるかもしれませんが、伝統芸能と思っておつきあい下さい。
チューニングの手順を文章で書くのはなかなか困難なことです。そこで、動画でチューニングの様子をご覧いただくことにしました。(モバイル版でご覧の方は申し訳ありませんが、動画はありません。)
ここではチューニングメーターの発信音に合わせる方法をご紹介しています。
- チューニングメーターでAを鳴らし、チューニングメーターの発信音にヴァイオリンのAを合わせます。チューニングが合ったときは、発信音と自分の音が溶け合って、吸い込まれるような感じがあります※。
- Aが合ったら、チューニングメーターを止めます。
- この後は、和音で弾き自分の耳で合わせます。
- AとDを合わせます。
- DとGを合わせます。
- 通常はここでAとEを合わせることになるのですが、ひとつの弦を合わせると、別の弦が狂うことがありますので、合わせた弦が狂っていないか再確認しておくとよいでしょう。
- AとEを合わせます。Eを合わせるときは通常アジャスター(テールピースについているネジ)を使用して調整します。
- 他の弦が狂っていないか確認し、狂っていたら再度チューニングしなおします。
ヴァイオリンは5度という音の幅で合わせますが、この音を覚えるのは訓練が必要です。まずは、ピアノで音を取ったり、チューニングメーターで合わせて、その和音の響きを耳で覚えるのが近道と思います。合ったときの響きは「うなりが生じないように」というのが、キーになります。
ヴァイオリンのペグ(糸巻き)はギターやマンドリンのようにマシンペグになっておらず、摩擦で止まっているだけなので、うまく動かさないと戻ってしまうことがあります。D線とG線のペグを動かすときは、小指をスクロールに引っかけて、押し込みながら回すようにすると戻ってしまうことは少なくなります。
※この音と音が溶け合う感じは、合奏をするときでも同じです。合ったときは自分の音が聞こえなくなってしまいますが、それがきれいにハーモニーを出せている状態です。自己顕示、自意識は合奏には不要です。
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