(株)シャコンヌの静岡展示会にて盗難にあったグァルネリ・デル・ジェスが発見されたそうです。
→盗難時の記事「静岡での2000万円ヴァイオリン盗難事件に関して」
報道によると本当にこっそりとシャコンヌさんに返却されていたとのことで、まさかこのHPをご覧になっている方だったのかとさえ思ってしまいました。いずれにしても犯人は道理のわかる人物だったという点では評価したいと思います。
もちろん、一度でも手を出した罪は免れません。ものを返せば、お金を払えば良いというわけでもありません。ですが、無傷で布につつまれてバッグに入っていたということで、犯人の人物もこの楽器を守った人のひとりであることも間違いない事実です。
楽器に限らず古いものは多くの人に守られて現在に伝えられています。清濁いずれにしろ「ものを大切に思うこころ」でこれまで受け継がれてきたわけで、誰かが気を許せば失われてしまうものです。
ヴァイオリンをかなり弾く人であっても楽器や弓を乱暴に扱う人を多く見かけます。破壊しないまでも、名器を巨利を得る道具にしている音大教授やヴァイオリニストの噂も多く聞きます。そんな中で、今回は犯人でさえも壊さないように傷つけないように大切に扱ってくれました。その点では賛辞を贈りたいと思います。
今回のデル・ジェスは捜査後、点検、再調整を経て世界中で演奏されることになると思います。また、録音に使われたり、時には展示会で見られるかもしれません。再びあの「巨大な音」「ストレートな音色」で多くの人に「楽しい時間」を与え続けられることを喜びたいと思います。
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