「自分は小柄だ、手が小さい」と感じる方は少なからずいらっしゃると思います。わたし自身、身長161cmほどと男性の中では小柄な方ですし、女性の方にはもっと小柄な方が多いでしょう。
欧米の方と握手すると、手の大きさやガッチリ感に驚くことがあります。ヴァイオリンはやはりヨーロッパの楽器で、ヨーロッパ人の体格や手の大きさに合わせて作られた楽器と思うことがあります。そんな楽器を小柄な人・手の小さい人が弾くにはそれなりに工夫が必要となります。
工夫のヒントはどこにあるのでしょう?ヴィオラの奏法が参考になります。ヴィオラはヴァイオリンよりも大きく、小柄な人がヴァイオリンを弾くのと同じになります。そして、ヴィオリストはヴィオラを弾くために多くの工夫をしています。その工夫がヴァイオリニストにも大変参考になるのです。
私事ですが、ヴァイオリンの正しい持ち方や音の出し方を追求するために2年ほどヴィオラを借りていたことがあります。楽器の構え方や音の出し方、左指の押さえ方など多くの点でヴァイオリンにも大変に参考になりました。ヴィオラはヴァイオリンの勉強に役に立つことは断言できます。
ヴィオラを実際に弾かないまでも、ヴィオリストの発言や文章に耳を傾けるのは有益です。その中で特によくまとまっていて、参考になる部分の多い書籍をご紹介致します。
プリムローズの「ヴィオラ奏法」
往年の名ヴィオリスト、プリムローズにインタビューした書籍です。プリムローズはヴィオラのソリストとして、またハイフェッツと室内楽で共演していたことでも有名です。
この書籍には、楽器の構え方・指の押さえ方から本番での心構えまで細かく工夫・考え方が書かれています。多くの音楽書籍と同様、少々読みにくい訳ですが、言っていることはシンプルで考え方は分かりやすい。特に楽器の持ち方など本当に基礎的な技術に関して詳しいのは貴重です。
ヴァイオリンの初心者の方にはお勧めしません。それなりにヴァイオリンを弾けるようになってきたら、小柄の方にはぜひ、大柄の方にもお勧めできる書籍です。
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