ヴァイオリン音楽の入門というと、チゴイネルワイゼンとメンデルスゾーンのヴァイオリンコンチェルトが挙げられると思います。もちろん、どちらも大変な名曲と思います。ですが、特にメンデルスゾーンは学校での「音楽鑑賞」的に使われてしまっているので、むしろ、ヴァイオリンへの関心を遠ざけてしまっているのではないかとも思います。
今でこそヴァイオリンは高貴な楽器の扱いをされているのですが、本来はハデハデのショーに向いた楽器じゃないかと思います。ショーマンシップが失われて「お芸術」になってしまったヴァイオリンはつまらない。見て聴いて、純粋に楽しめるものこそ、初めての方に勧められるのではないかと思います。
今回ご紹介するのは、決して「静かなヴァイオリン」だったり「上品なヴァイオリン」だったりはしません。でも、ヴァイオリンを使ったショーとして素直に楽しめるものと思います。
華麗なるヴィルトゥオーゾ ワディム・レーピン |
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演奏しているレーピンという人は、ロシア出身の若手ヴァイオリニストです。若手・ベテランを含めて現代のヴァイオリニストで間違いなくトップクラスの人です。
このCDで演奏している曲は、ヴァイオリンの技術を駆使した派手な曲が中心になっています。右手でメロディを弾きながら左で伴奏したり、弓が飛び跳ねたり。
音楽としては「しょーもない」の部類に入ってしまうのかもしれませんが、ヴァイオリンはこんなこともできるのかという驚きは感じていただけると思います。
「めちゃくちゃにすごい」と断言できる一枚です。ヴァイオリンって面白いかも!と思っていただければ嬉しいです。
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ラカトシュ2〜ライヴ・フロム・ブダペスト |
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演奏しているラカトシュという人は、いわゆるジプシーヴァイオリンという分野に属するヴァイオリニストです。ジプシー(ロマ)は放浪生活の中で、ヴァイオリンなどの楽器を使って、お金を得てきた経緯があります。
お金をもらえる音楽というのは、やはり楽しんでもらえるショーということになります。だからこそ、派手に面白くと発展を続けてきたのでしょう。ラカトシュはジプシーヴァイオリンの中でもひときわ洗練された演奏家です。音も良いし、テクニックも確実。
ですが、そんなことより、長年ヴァイオリンを弾いている人間にとってさえも「…え…」「・・・信じられない…」と感じさせる音楽です(つい口をポカンと開けて聴き入ってしまう感覚を分かっていただきたいと思います)。こんなのは滅多にありません。
ラカトシュのCDには、「ラカトシュ」という1枚目のアルバムもあります。こちらも、非常にお勧めできるCDです。ですが、ラカトシュ2はオリジナル曲が多く、より楽しめるのではないかと思ってこちらを選びました。
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