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ヴァイオリンを選ぶ-愛器を見つける知識良い楽器を知っていること-楽器店の選び方4

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これは新しいお店には資金面・信用面で酷なことかもしれませんが、ストラディヴァリなどの「良い楽器」をよく知っていること、できれば持っているお店の方が修理・調整を安心して任せられる面があります。

作業を依頼するヴァイオリンがローエンドのものであっても、「良い楽器」を扱うお店は「良い楽器」から学んだことが反映されると考えられるからです。

ストラディヴァリの実物を見たことも触ったこともないなんて修理者・製作家は、向上心の点で大きなマイナスポイントが付きます。わたしだって、ストラドが見られて・触れるなんて話があれば、他の予定をキャンセルしても優先したいものです(実際そうしています)。まして、楽器自体のプロならなおさらでしょう※。

ストラディヴァリは普通の楽器と聴き比べて大差ないという話がありますが、わたしには自分で弾いても客観的に聴いてもランクの低い楽器とは全然違うと感じます。そして説明を聞けば聞くほど、名器は音響的に大変よくできています。修理者や製作家にはプレイヤー以上にそれが分かっていると思います。

それだけよくできているからこそ、多くの技術者が語るように、名器はデリケートで調整も難しいものです。F1が技術の限界領域で作られているため、気候や路面の影響を受けやすいのと似ているとも言えます。F1のチューナーと同じように、ちょっといじれば大きく音が変わる経験と、それに応じた技術なしに名器の修理・調整はできません。

名器は決して名ばかりのものではありません。無数の人が長年にわたって高い評価をし続けたものです。それを素直に認め、名器から学ぼうとする姿勢があるかが、楽器店を選ぶポイントのひとつになると思います。

※「そんなの偽物だから見ない」なんて言う人がいますが、見もせずに判断できるのでしょうか?真贋はどうあれ時間と多少のお金をかけて見るべきですし、その上で自分で判断するべきです。「勉強しない言い訳」をする人はプロではありません。


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