「良い音」を「良いヴァイオリン」から知ることができましたでしょうか?その印象で、予算の範囲のヴァイオリンを数多く試してみてはいかがでしょうか?意外に、「良いヴァイオリン」と似た印象の楽器を見つけることができるものです。
もちろん、多くの場合、安くなるほど印象は弱くなってしまいますが、音の出方、響きの感じが「良いヴァイオリン」に近いヴァイオリンが安価な楽器の中に見つかる場合があります。グァルネリに似た印象のヴァイオリンや、ストラディヴァリに近い印象のヴァイオリンが安価な中に見つかる場合もあります。
わたしの経験で参考になればと思います。最近、久我一夫さん(→こちらに久我さんのHPとブログがあります)という方が製作されたヴァイオリンを試奏しました。見た目は地味ですが、音色・音量・弾いた感触は古いヴァイオリンに大変よく似ていました※。新作でも、日本人による楽器でも、古いヴァイオリンに近い音はあるのです。
古いヴァイオリンと似た音だからと言って、骨董品・資産としての価値は値段相応か、それ以下になります。「似た音、似た感触の楽器」に「金銭的価値」を期待するべきでは無いと思います。
例えば、「フェラーリが欲しい」場合と「フェラーリと同じ性能の車が欲しい」場合があるでしょう。「フェラーリが欲しい」というなら、多くの場合はそれなりに高価でしょう。でも、「フェラーリと同じ性能の車」だったら、安く入手できるかも知れません。
「ストラディヴァリが欲しい」のか「ストラディヴァリの音が欲しいのでしょうか?」欲しいのはそのブランドでしょうか?それともヴァイオリンの性能・音でしょうか?安く良いヴァイオリンを見つけるヒントになれば幸いです。
※直接、久我さんにお話をお聞きできたのですが、本物のストラディヴァリやグァルネリの板を叩いて板の音程を聞き、それとほぼ同じ音程になるように作っておられるそうです。その結果、音量・音色だけでなく弾き方まで古いヴァイオリンと似るところには驚きました。
←前の記事「「良いヴァイオリン」はF1のようなもの」を読む
→次の記事「ひとつひとつのヴァイオリンに合った弾き方」を読む
→ 一覧ページに戻る → トップページに戻る
|