弓の先が細い弓を良い弓と考えている方がいらっしゃるようです。
ヴォアラン(Voirin)やラミー(Lamy)といった名弓には、先の方がとても細く作られている弓があります。一方、安価な弓は太めに作られていることが少なくありません。これを見て、細い弓は良い弓と考えられるようになったのかもしれません。
安価な弓は材料の質が充分ではないために、充分な強度を得るために太く作らざるを得ない場合があります。そのことから、安価な弓は太い場合が多いようです。
しかし、名弓でもトルテ(Tourte)、アダム(Adam)、ペルソワ(Persoit)などは太めに作られていることがあります。決して、名弓だからといって細いわけではありませんし、細いから良い弓ということもできません。
演奏家にとっての弓の良し悪しは、「音色」と「弾きやすさ」にあると思います。いくら見た目に美しく名の通った弓でも、良い音が出せなかったり、弾きにくいものは、演奏家にとっては価値は低いと思います。弓も楽器なのです。
弓を選択する場合の参考になれば幸いです。
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