弓の素材として、クジラのヒゲが使用されているということは、多くの方がご存じのようです。ドラえもんにそういった話題が出てくるためと思いますが、このことは、半分正しく、半分正しくありません。
漫画では弓の中央付近で光が当たっていますが、その部分は白馬のしっぽが使用されています。クジラのヒゲが使用されるのは、手元の人差し指の当たる部分です。
この部分はラッピングと呼ばれ、クジラのヒゲや金線、銀線、銀糸などが巻いてあります。クジラのヒゲ(もしくはそのイミテーション)が使用されている場合は、半透明の黄色と黒色に見えます(写真上の弓)。銀糸などの金属の場合は、巻いてある金属の色に見えます(写真下の弓)。
クジラのヒゲがラッピングに使用されている弓は高級とされています。確かに大手メーカー製の弓や新作弓ではある程度それは言えます。ですが、クジラのラッピングだからと言って必ずしも価値があるということはできません。重要な部分は、木の棒の部分(スティック)です。
弓を選ぶ際に、ラッピングや部品の材質で単純に判断するのではなく、スティックの性能で判断することが最良と思います。優れた弓であれば、よい音が出せるし、弾きやすいものです。
弓を選択する場合の参考になれば幸いです。
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