弓を弦の上に置いて、動かしてみましょう。テレビなどでご覧の通り、弦に対して弓を直角に当てて、弦をこすります。こする位置は、駒と指板の中間あたりで大雑把には合っています。
「ぶぎゃー」というワイルドな音が出たかもしれません。「ひー」という情けない音が出たかもしれません。これらの音は、力加減が適切でないために出る音です。「ぶぎゃー」という音は、弦に押しつけすぎている音です。「ひー」という音は弦に押しつけなさすぎている音です。
第1のポイントは、この「弦に押しつける力加減」すなわち「圧力」にあります。
「弦に押しつける力加減」は、ボーリングの玉を投げるようなイメージに近いと言えます。強すぎてもダメ、弱すぎてもダメという加減です(ボーリングは投げる力加減が適切でないとうまく投げられないという意味で)。弓を3mmだけしならせるような加減で、しかし、弓の動きは速め(秒速40cm程度)に動かします。
押しつける加減は、「最初から最後まで同じ」と考えると良いかと思います※。ヴァイオリンの優雅なイメージと違うかもしれませんが、「一本調子な音」の方が音楽として「使える音」になります。一定の圧力で、一定の音が出るように動かそうとしてみてください。
弓を押しつけるときには、手首や腕をひねって、人差し指だけで圧力をかけてしまうケースが多いのですが、これは汚い音になります。できるだけ人差し指だけでなく、中指・薬指も使って弓に圧力をかけた方が、良い音が出やすくなります。
弓の動かし方のキーポイントの第1は弓の圧力です。適切な圧力が見つかるように、強すぎない範囲で試してみていただきたいと思います。良い音を出すご参考になれば幸いです。
※弓の元で圧力を軽くすると教えられることも多いのですが、あまり結果はよくないようです。
→ 一覧ページに戻る → トップページに戻る
|