以前も書いたことですが、「影響を受けるから、他人の演奏は聴かない」というのは傲慢な考え方です。どんな分野でも同じですが、自分の成果は先人の成果をもとにしているものです。実際、上手な人ほど他人の演奏をよく聴いているし、よく研究しているはずです。
CDからでも、表現面や音色以外にもわかることがあります。ある程度はボーイング(弓遣い)やフィンガリング(指遣い)も分かるし、DVDならよりはっきり分かります。また、一緒に弾いてみれば、意外なテンポやルバートに気がつくこともあります。
名演奏家の名演奏だけ聴くというやり方もありますが、わたしは手当たり次第聴くのが良いと思っています。好きな演奏だったら、その表現を吸収しようと研究する。あまり好きな演奏ではなかったら、好きでない理由を考えてみる。こう言った研究は、自分の成長につながるはずです。
レコードは高価だったので、昔はこんな贅沢な研究の仕方は困難でした。ですが、今のCDは概して安価ですし、図書館にも豊富に置いてあります。そして、ipodなどの携帯プレーヤーを使えば、どこでも聴くことができます。
他人の演奏を徹底的に研究するタイミングとしては、譜読みと練習をして、難しい箇所や問題点がある程度具体的になってからの方が効果的のようです。ひたすらの練習を止め、一度ヴァイオリンを置いて、集中的にCDを聴いたりDVDを見てみたりしてはいかがでしょうか?
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