ゆっくりなら弾けるのに速くなると弾けなくなる部分があります。こういった箇所の解決法として「ゆっくりからメトロノームに合わせて練習し、少しずつ速くする」と言った指導がなされる場合が多くあります。
もちろん、次第に速くする練習はひとつの解決法ですが、やみくもに少しずつ速くと繰り返し練習をしても、弾けるようになるわけではありません。
例えば、合理的なフィンガリング(指遣い)やボーイング(弓遣い)をしているかのチェックが必要です。先生に習っていればチェックが入るし、校訂譜ならフィンガリングやボーイングが記してあるため問題は多くありません。ですが、室内楽などでフィンガリングやボーイングを自分で考える場合は合理性を常にチェックする必要があります。
合理的なフィンガリングやボーイングであれば練習を繰り返す効果がありますが、非合理な方法だった場合はどれだけ練習してもうまくなることができません。犬かきを練習するより、クロールを練習した方が普通は速く泳げるものです。
もちろん、フィンガリングやボーイング以外の要素も同様です。
単純に回数で練習すれば良いわけではありません。弾けない原因を取り除いた上で練習しなければ下手になる練習をしているだけなのです。自分で練習するときは、鏡を使ったり録音や録画を併用しながら、速く弾けない原因の特定をまず最初行ってみてはいかがでしょうか?
「そんなこと分かっているよ!」と言われそうなことですが、よく見かける事例なのでお話ししました。練習の参考になれば幸いです。
→ 一覧ページに戻る → トップページに戻る
|