個人レッスンの形式として指定の場所に指導者が出向く「出張レッスン」と、指導者の自宅に生徒の側が出向く「講師宅レッスン」とがあります。
わたしは現在は自宅のみでレッスンを行っていますが、かつては出張レッスンもやっていました。また、先生のお宅に伺ってレッスンを受けたことも、お越し頂いてレッスンを受けたこともあります。
【出張レッスン】
レッスンを受ける立場として、様々な都合で外出できない場合や、隙間の時間を使ってレッスンを受けるような場合は出張レッスンは便利です。指導者にお越し頂けると移動時間を節約できるし、直前まで練習できるため具合が良いといったメリットもあります。逆に、お部屋を片付けなければ、お茶をお出ししなくてはと変なところで気を遣う面もあります。
一方、指導者の側としては出張レッスンはかなり気を遣うものです。必要な資料や器具(鏡や鍵盤楽器など)がすぐに取り出せないもどかしさで不満を感じることがあります。また、お茶など頂く場合は変な作法をしていないか、お手洗いに行くのも躊躇するなど変なところで気を遣います。
意外と、出張レッスンは教える立場としては、不満の残るレッスンになってしまうことが少なからずあります。
【講師宅レッスン】
一方、講師宅レッスンは教わる側には気を遣わせるかと思いますが、教える側にとっては非常に教えやすい環境が整っています。取り出したい資料や器具はすぐに出せるし、移動による疲れや時間のロスは少ないし、気を遣うことなくお手洗いを使えるなどのメリットがあります。逆に、お部屋やお手洗いの掃除などには少なからず気を遣います。
また、教わる側の立場としても、先生が持っている書籍や楽譜、CDなど、また、譜面台やらチューニングメーターなどの小物から学ぶことがたくさんあります。意外と、そういったちょっとしたことから学ぶことが大事なのではないだろうかと思ったりします※。
今では、ノートパソコンなどを使って資料が取り出せないデメリットを減らす方法があるかと思いますが、出張レッスン、講師宅レッスン、それぞれのレッスン方法を選択するための参考にしていただければ幸いです。
※わたし自身、講師宅レッスンで指導を受けていますし、かつても受けていましたが、先生の部屋を見ることはすごく勉強になります。
←前の記事「教本の選択:ヴァイオリン教師という仕事6」を読む
→次の記事「「好きで」とは限りません:ヴァイオリン教師という仕事8」を読む
→ 一覧ページに戻る → トップページに戻る
|