ヴァイオリンにはギターのようなフレットはありませんので、音程(音の高さ)を自分で作らなければいけません。歌と同じですね。歌でも正確な音程で歌うことは難しいのですが、ヴァイオリンは音域が広い上に、「速弾き」を多用するため、常に正確な音程で弾くのはより困難です。
チューニングメーターを使うことで、正確な音程を習得することは不可能ではないし、やるべき練習と思います。常にチューニングメーターを見ながら、ゆっくり弾いて、全ての音の音程が正確かどうかを確かめながら練習することで、ある程度、正しい音程を身につけることはできます。
ですが、ヴァイオリンの世界では病的なまでに音程の精度が要求されます。正確なだけではなく、音によって微妙に高くとか、微妙に低くとか、さまざまです。また、正確な音程で弾くためのテクニックも数多くあります。
こういったことは、常に先生にうるさく言われない限り、身につくものとは思えません。面倒ですし、習得に時間もかかるし、楽しくありません。そして、指摘する先生にとっても、おもしろいものではありません※。
楽しみで弾く分には、そこまでの精度は不要かもしれません。そこそこで充分と言うこともできるでしょう。ですが、音程の精度を高くすると、他の弦が共鳴することで響く音(リバーブがかかった音という意味で)になります。そこから、ヴァイオリンの音色が出てくるために、音色と音程は不可分なものです。
音程の訓練は、楽しいものではありません。それでも、常にうるさく指摘してくれる先生が、後々感謝できる先生になると思います。
先生を選ぶ参考になれば幸いです。
※ 指導者としても、音程の指摘をするよりは、音楽的な話をした方が楽しいものです。
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