部屋の問題は本当に悩ましい問題です。防音対策だけでなく、部屋によって演奏している自分に聞こえてくる音が変わるため、部屋の音響も意識する必要があるのです。
防音対策の点では、ヴァイオリンの音はピアノに比べれば低音が少ないため、防音対策は比較的容易です。窓や扉の隙間をスキマテープなどで埋めるだけでも、かなり効果があるし、市販の防音グッズもそれなりに効果をあげるはずです。
マンションでも鉄筋コンクリートのマンションなら、扉や窓を全て閉めて、音を出す時間を注意すれば大抵の場合問題は生じないのではないでしょうか。
ただし、腕が上達するほど、また、良い楽器になるほど音量も出てきますので、時々充分防音がなされているかチェックをする必要はあると思います。
ところで、演奏者自身に聞こえてくるヴァイオリンの音は部屋による反射音も多いため、部屋によってまるで違う音に聞こえてきます。ヴァイオリンを弾く部屋を考える際には、単に防音されていれば良いわけではなく、部屋による音の変化も意識した方がよいと思います。
自分の音が部屋の中でどのように聞こえてくるかで、自分の出す音色が変わります。ホールのように響きすぎるのも、全く響きがないのも、「自分の音」を聞く上で不向きです。自分の音が正しくモニターできる部屋が理想です。
部屋の響きはカーペットやカーテンで変化しますので、まずは自分の声が自分の声らしく聞こえるように部屋の音響を調整してみてはいかがでしょうか。
案外見過ごしがちな必需品の「部屋」。定説も決まりもない要素ですが、防音だけではなく、部屋の響きも含めて考えてみると良いと思います。
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