ヴァイオリンケースにもさまざまなものがあります。ここでは手持ちの中から少々変わったものをご紹介することにしましょう。多くの方にとっては必要のないものですが、少し特殊なご要望をお持ちの方にはご参考になるかもしれません。
旅客機の機内に持ち込み可能なサイズに作られたケースです。現在国内線では事前にカウンターにて申請すれば角ケースではないヴァイオリンケースは持ち込み可能な場合が多い(規定のサイズ以下のものなら持ち込み可能です)のですが、一時期厳しくなったことがありました。その時弓は機内持ち込みサイズを超えた(当時一辺が55cm以下となっていました)ので、このケースに付いていた専用の筒型弓ケースに入れて別途預けていました。
ヴァイオリンを2本入れることのできるケースです。演奏家がスペアのヴァイオリンを含めて持ち歩きたいニーズに応える製品かと思いますが、ヴァイオリンを2本持っている場合には何かと重宝します。シングルケースを2つ持つよりは重量も軽いです(楽器を入れた状態の実測で4kgほど)。
ヴァイオリンを4本、弓も4本入れることのできるケースです。弦楽器専門店など業者さん向けのものです。4本持ち歩くことはほとんどありませんので、うちでは楽器の保管用になっています。外装も内装もそっけないし、それほど強度もないのですが、中で楽器同士がぶつかって傷をつけないための楽器を留めるベルトは充実しています。
普通のケースと比べると結構大きく厚みもあります。わたしは弦楽器専門店から譲ってもらいましたが、海外通販やオークションなどでたまに出ることがあります。
弓を1本だけ入れるケースです。普通のヴァイオリンケースで持ち歩くのは大袈裟で、弓だけを持ち歩きたい時に重宝します。毛替えの時などに使えます。また、この製品は大変頑丈で特に貴重な弓の保管・運搬用に使うこともあります。
弓を6本入れることのできるケースです。上記のヴァイオリン4本用ケースと同じく業者さん向けのケースでしょう。世の中には12本入りや24本入りのケースもあります。弓を多く持っている場合は重宝します。
こんな形で溝が作ってあり、ふたを閉めると弓は運搬時にもそれほど暴れることはありません(弓の先←→元の方向には動きます。そのために短い弓の場合は緩衝材を入れる必要はあります)。
アタッシュケースなどのゼロハリバートン製のヴァイオリンケースです。元々BAMのケースがこの中に仕込まれていました(BAMケースは処分しました)。金属製の外装ケースの中に普通のヴァイオリンケースを入れることができますので、ケースのケースというものです。「月の石」を持って帰ったり、爆弾テロに遭っても中身は大丈夫だったり、核ミサイルのスイッチが仕込まれていたりするかもしれませんが(というゼロハリバートンの伝説があります)、案外、このケースには強度が無いです。オークションで入手したものです。
内装が超豪華なケースです。同様の豪華なケースはムサフィアでオーダーできるかと思いますが、これは皇太子殿下がお使いのヴィオラケースと同じものというもの(と購入時にお店で伺いました。真偽は不明です)。内装に凝ったケースはしばしば存在して、ケースを開けるたびにほのかな自己満足に浸ることができるかもしれませんが、機能上の差は何もありません。一方、派手な内装に比べて外装は地味です。店頭にて中古品で購入しました。
内装が気に入ったというよりも、しっかりしたヴィオラケースが中古で販売されていたというポイントで購入したものです。良いヴィオラケースは大変にレアです。