温度・湿度には「注意しなさいよ!」とヴァイオリン関連の書籍には記されています。ですが、具体的に温度が何度で湿度が何%程度が限度なのか書かれていることはまれです。
そこで、今回はわたしの経験談で恐縮ですが、温度管理の失敗談について記すことにします。
温度に関しては、夏の高い気温に特に注意する必要があります。多くのサイトや書籍に書かれているとおり、暑い場所にヴァイオリンを置いておくとニスが溶けることがあります。
わたし自身の経験として、過去に所有していた新作楽器(製作されて1年以内でした)のニスを夏場の暑さで溶かしたことがあります。ケースに入れて部屋に置いて外出した際に、少し(1cm四方程度)ニスが溶けました。室温は50度は超えていないと思いますので、その程度の温度でかなり注意を要すると言えるのではないでしょうか。
一方、同時に所有していたモダン(製作されて30年程度でした)の楽器には、特に問題が見られなかったので、ある程度年月を経ると、ニスも固化して外界の変化に強くなるのかも知れません。
いずれにしても、室温は最高で40度以下、できれば余裕を持って30度以下に保つことが望ましいと思います※。外出するときなどは、比較的温度の低い部屋(北側など)に置いておくと良いでしょう。
温度の管理について、参考になれば幸いです。
※ヴァイオリンを美術品と考えるなら、年中18度程度にキープすることが望ましいのですが、一般家庭で常にエアコンを入れているのは非現実的と思います。