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ヴァイオリンを弾くときの必需品に弓があります。
ヴァイオリン本体は、ストラディヴァリやグァルネリといったものが特に有名です。高額な楽器としてしばしば話題にもあがりますので、ご存じの方も多いかと思います。
一方、あまり知られてはいませんが弓にも有名な製作家がいます。代表的な人として、トルテ、ペカット、アダム、ヴォアラン、サルトリあたりのフランス人製作家を挙げることができます。これらの弓も数百万円〜と高額に取引されています。
弓は木の棒に馬のしっぽを張って、張りを調整する金具をつけたものにすぎません。それに大きな金額を出すような違いがあるのか?と思われるかもしれません。
大きな違いがあるのですよ。弓によって、演奏のしやすさが違うし、さらには、音色までも全く異なってしまいます。演奏の時には木材部分も振動するため、木材の切り方や材質が弾きやすさや音に影響を及ぼすのでしょう。弓も音を作る重要な要素なのです。
ホルンやサックスといった管楽器が、楽器本体だけでなくマウスピースによって音や吹きやすさがかなり異なるのと同じ、と考えてよいと思います。
弓はヴァイオリン以上に同じように見えてしまいますので、一般的に意識されることが多くないのですが、演奏のしやすさと音が全く違うということを知っておくと、弓の選び方の本質が見えてくると思います。
弓について、理解の一助になれば幸いです。