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ヴァイオリンそのものではありませんが、肩当てやあご当て・ペグといったフィッティング部品も弾きやすさに大きく影響を与えます。各々いろんな種類が出ているし、また、これらのパーツでも意外なほど音色が変わります。逆に言うと、部品のおかげで弾きやすく感じたり、いい音に感じたりということもあり得ます。
少なくとも、部品でも弾きやすさ・音色が変わることは知っておいて良いことと思います。
最も交換しやすいのは肩当てかと思います。持ちやすさ・フィット感を求めて、肩当てをあれこれ試すのあまり有益とは思いませんが※、これだけ多くの製品が出ているのは、多くの人が持ち加減に悩んでいる証拠かとも思います。
また、あまり論じられることは多くありませんが、肩当てでもかなり音が変わります。変な言い方ですが、重い肩当ては重い音になり、軽い肩当ては軽い音になります。プラスティックの肩当てはプラスティックの音がしますし、木星のものは木の音がします。同じ形状のものでも材質で変わりますので、肩当ても響いているのだと言えます。
あご当ての高さ、角度の調整加減でかなり持ちやすさが変わります。また、あご当てのお皿の部分が深くなっていたり、面積に差があったりなど様々です。わたし自身は、過度に高さのあるあご当ては好ましく思いませんが、うまく合うのであればそれでも良いと思います。
また、あご当てだけでかなり音色が変わります。高級と言われるあご当て(クローソン:Crowsonというメーカーのものが有名です)は、やはり音色に関してもよく響くけれども落ち着きのある良い音がするように思えます。
※ぴったりフィットする感覚では、強く挟みすぎになると考えます。むしろ頼りない感覚の方が望ましいとわたしは考えています。
ペグでも音色は変わりますが、何より調弦のしやすさが大きく変わります。この調弦の時の印象が、楽器の判断にバイアスを与える事もありますので、軽視することはできません。
品質のよくないペグではうまく動かず調弦がなかなか合わないことが多くなります。調弦の加減はうまくいかないとけっこうなストレスになると感じていますので、ペグの材質や調整具合は軽視できないと考えます。
楽器の試し弾きの際は、これらの部品による影響も考慮する必要があります。全く同じ条件で比較することは困難ですが、弾きやすさや出ている音が部品によるものかどうかは意識しておいて良いのではないでしょうか。