精神主義は長い間教育の世界で用いられてきた発想です。ヴァイオリンの世界でも例外ではなく、「ミスをするのは気が入っていないからだ」、「本番で緊張するのは練習が足らないからだ」といったものから、「一日8時間練習しなければならない」「音階を毎日10回ずつ」といったものも、一種の精神主義でしょう。
今日の目で見れば、相当に滑稽な面もあると思うのですが、精神論や回数、時間に基づいた発想による教育は今でも根強く残っていると聞きます。
確かに、幼児教育では回数や時間をこなすことはわかりやすい指標かもしれません。しかし、これは教える側の都合で、教える側には精神論や、単純に回数、時間で指導するほど楽なことはありません。
ですが、いくら精神論や回数、時間を強調したところで、間違ったやり方で練習すると、間違ったやり方がどんどん強化されていくことになります。つまり「下手になる訓練」を一生懸命やっているということです。
「下手になる練習」をしないためにはどうしたらよいでしょうか?到達しようとする目標を持つことや、目標に到達するためのプランを立てることは、解決につながると思います。
自分の練習やオーケストラの練習で精神主義がはびこっていませんか?無意味に通し練習を繰り返してはいませんか?
練習を意味あるものにする参考になれば幸いです。