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ヴァイオリンを学んでいるのなら、レッスンに通っていても独学であっても、その目的は「上手くなる」事にあるでしょう。ですが「上手くなる」事はどういう事なのでしょうか?先生や親兄弟が教えてくれるわけではありません。答の無い質問かもしれません。
ヴァイオリンのような閉じた世界では、ともすれば枝葉末節ばかりが問題にされがちです。そもそも「上手くなる」事がどういう事かという根本的な事が分からないまま育つと「日本人は音程だけはいいけどね」と言われる結果になってしまいます。
ここでは「ヴァイオリンを学び上手くなるとは」について書かせて頂こうと思います。そもそも論のようですが重要と考えています。
「上手い演奏」とはシンプルに「聴ける演奏」。そして「聴き手に何らかの印象を与える演奏」と言えます。
料理になぞらえれば「食べられる料理」が最低限の上達度合いです。塩胡椒のバランスが極端に崩れていたり、焼き加減が極端に不適切なら食べる事すらできません。そのレベルで「上質な塩を使った」とこだわったところで問題外でしょう。「食べられる料理」ができた上で、意図的なコントロールで美味いと感じさせれば「印象を与える料理」へと昇華できるでしょう。
ヴァイオリンの演奏も、ある程度適切に塩胡椒や焼き加減のバランスを取れる事が最低限の上達になります。その上で意図的に何らかの印象を与える事ができれば一段上のレベルに至ることができます。
音楽の場合、音色・リズム・音程が適切にできていればまずは聴ける演奏になります。そして音色→リズム→音程の順が優先されるべきと思います。ヴァイオリン教育では音程が過度に重視されますが、音程は合っていても音色やリズムが崩壊しているケースは少なくなく、これでは聴ける演奏にはなりません。その上で意図した印象を与える演奏が求められます。
次回以降、それぞれの要素に分けて書かせて頂こうと思います。上手く弾くためのご参考にして頂ければ幸いです。