「!」と「ご縁」:買い換えのヒント9


楽器の購入には「ご縁」の要素があります。変な信仰や超常現象ではありませんし、もちろん自分から探さなければ見つからないわけですが、その楽器に出会えることと、それが自分の元に来るかどうかは「ご縁」なんだと思います。

「ご縁」がなければ先に売れてしまったりしますし、他のお店に回ってしまうこともあります(楽器店同士での楽器の貸し借りはよくあります)。けれども、「ご縁」のある楽器なら、一度売れてしまってもキャンセルになって自分の手元に来たりします。

ある程度多くのヴァイオリンを見ていれば、ピンとくる楽器はネット上で写真を見るだけでも分かるものです。

わたしはヴァイオリンに限らないことですが、情報を入手したら、極力早くでかけて、見て・触ってみます。それで、「!」と思ったら、それと同型・近い型のものを片っ端から弾かせてもらいます。他の店でも同じようなランクのものを触らせてもらいます。

後日、もう一度「!」と思った楽器を弾かせてもらいます。それでも、やはり「!」と思えるなら購入します。二度目に弾かせてもらってつまらないなと思ったら、気持ちだけが膨らんだということですっぱりあきらめます。

二度目を弾かせてもらうまで、HOLDや取り置きはしないでおきます。ご縁があるものなら自分の元に来るし、ご縁のないものであれば仕方ないから。ただ、自分が「!」と思った楽器は、他のひとも「!」と思っていることも多く、行動は素早くおこなうべきとは思います。

一般的な工業製品とは異なり、ヴァイオリンは楽器自体の個体差がかなりあるし、調整の差も出ます。ブランドや値段ではなく自分自身が「!」と思うことが楽器の善し悪しと言えます。他人に選んでもらうのはわたしは好ましいこととは思えません。自分自身で「!」と思うことと「ご縁」を大切になさってはと思います。


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