遠くに細部まで届くように - 客観的に聴く、聴く人を意識する
西洋の音楽は成り立ちから神様に向けた音楽と考えることができます。神様をたたえるために、神様に届くようにと音楽も楽器も進化してきたと考えることが出来るかと思います。
もちろん、近代になるにつれて、音楽は地上に降りてきて、→貴族の愉しみ→お金を払ってくれたお客さん(庶民でもOK)と聴き手が変わってくるわけですが、神様に届くように弾くというのが良い音で弾くひとつのポイントにはなり得ます。
聴き手に表板を向けて音を届かせるようにと考えます。また、わたしは見たことがないので知りませんが、神様は多分上におられると思います。それも5階くらいではなくすごく上なんだと思います。そこまで届くような気持ちで弾くとよく響く良い音になる場合があります。
それは叫んだ音でも怒鳴った音でもありません(神様を怒鳴りつけてはいけません)。怒鳴らず、遠いところへ、楽譜の細部まできちんと伝わるように聞こえるように弾きます。
どういう音で弾くべきか、どんな音量で弾くべきか、のひとつの考え方になり得ると思います。
※ここで言う神様は特定の宗教の神様ではありません。西洋音楽はキリスト教にはなりますが、ここでの話は観念上・形而上の神様とお考え下さい。念のため。
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