音色、音質(弓の動かし方):良い音程で弾くヒント2
音程を良くするための大前提に、音色があります。「音色が悪ければ音程は合わない」と言っても過言ではありません。
音程については、多くの教室で「高い」「低い」とうるさく言われるかと思います。ですが、音色について積極的な指導をされることは少ないようです。これは望ましいことではなく、良い音が良い音程を作るし、良い音程が良い音を作るといった不可分のものとわたしは考えています。
音色が悪いというのは雑音感が強いという事になります。いわゆる、ギコギコとした音は多くの周波数の音が混ざった音で、これでは音程が合っているかどうかすら分かりません。逆に「良い音」は、周波数でみて整然と並んでいる状態にあります※。整然と並んでいる状態の方が音の高い低いを聞きわけやすくなりますし、ハーモニーも作りやすくなります。
音程を良くするためには、まずはギコギコやヒューヒューと言った音から、整った周波数の音(いわゆる良い音)にすることから始めることをお勧めします。まずはフォルテでもなくピアノでもない中庸の音量で、圧力も強くもなく弱くもなく、弓の速さも速くもなく遅くもなくで、弾く位置は指板と駒の中間で、音の長さ(弓の長さではない)はいっぱいに保って弾きます。
チューナーなどでの音程チェック以前に音程の改善にはまずここから始めることをおすすめします。
※ヴァイオリンの音はA線のA(ラ)の音であれば442Hzというような言われ方をしますが、単純に442Hzだけではなく884Hz(2倍の周波数)も221Hz(半分の周波数)も出ています。もちろん、4倍や8倍、1/4倍や1/8倍の周波数の音も出ています。ひとの耳の構造上(基底膜や有毛細胞といった話)も整然とした周波数の方が聞き分けやすくなるはずです
←Back Next→
ヴァイオリン演奏のヒント
トップ
(C)Caprice