そもそも練習曲を練習する必要があるのか?2
今回は、曲っぽい練習曲を練習する意味についてお話しします。
曲っぽいヴァイオリンの練習曲としては、
- カイザー(Kayser 36 Etudes(Elementary and Progressive) Op.20)
- クロイツェル(Kreutzer 42 Studies)
- ローデ(Rode 24 Caprices)
- パガニーニのカプリース(Paganini 24 Caprices)
というものが特に有名でよく使用されます。
これらは、ある特定の技術を多用した曲によって、より実践的に技術を習得しようとするものです。ある曲では弓の練習が中心になっていたり、ある曲では和音の練習が中心になっていたりします。それぞれの曲で重点項目の集中練習ということです。
こういう性質のものなので、カイザーならカイザーの全曲を練習してはじめて、技術全体が向上できることになります。カイザーの1番や2番だけをいくら練習してもトータルで上達はできません。
従って、楽しみで弾いている大人の方にとっては、練習曲をこなすよりは、弾きたい曲をどんどん弾いた方が、楽しく手っ取り早く上達できることも多いと思います。これはソロ曲でもオーケストラの曲でも言えることです。
一方、バッハからバルトークまでどんな曲でも最小限の練習時間で正確に弾けるようになりたいのなら(プロ的な必要になります)、練習曲はいろんなパターンや特に難しいパターンも出てくるため、マスターしておくと結局は近道になります。
曲っぽい練習曲は、やるなら徹底的に、全ての曲を練習することで効果を上げることができます。練習曲をうまく使用する参考になれば幸いです。
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