使えない楽器:これから始める方のヴァイオリン選び2



安物のヴァイオリンはおもちゃのようなもので使えない、というような話がネット上にはよく書かれていますし、先生たちもよく言うことです。ですが、どのような点で使えないのかについては書かれておらず混乱を増すだけだと思います。

「ストラディヴァリとグァルネリに比べれば5000万円の楽器なんておもちゃ」というのも、ある意味事実ですので、安物=ダメ楽器と決めつけるのはいかがなものかとわたしは思っています。

1万円のヴァイオリンでも音色に関しては意外とヴァイオリンの音がします。もちろん響き渡る音は出せないし、思った通りの音色が出てくるわけではありません。ですが、適切に弾けば、それなりの音がしますのでヴァイオリンの練習に使えないわけではありません。高性能な車なら楽に100km/h出せますが、軽自動車では思い通りには加速できないという感触です。

問題点としては、ペグ(糸巻き)の品質があまりに悪くまともに調弦(チューニング)できない楽器が多いことと、駒やネックの高さが適切ではなく正しい音程での演奏が極端に困難な場合があります(左手で弦を押さえて音程を作るわけですが、前提が崩れていると音程が合いません)。

ペグの調整も含めてペグが良くなかったり、駒やネックの高さが適切でない楽器は、100万円程度のヴァイオリンでも見られますので、安いからという問題ではありません。ですがペグや弦高といったごく基本的な要素は、これから始める方だからこそ適切に調整されたものを使うべきと思います。ペグが良ければチューニングは楽です。弦高が適切なら音程は比較的容易に合わせられます。

中国製だから悪いわけではないし、イタリア製だから良いわけでもありません。ベンツであろうとレクサスであろうと、タイヤが曲がって付いていればまっすぐに走ることはできないということです。

まず最初のチェックポイントとしては、ペグがスムーズに回るか(粘りを持った回り方という感触が適切です)、他のヴァイオリンに比べて左手を強く押さえないで済むかという点を確かめてみることをお勧めします。

ヴァイオリンを選ぶご参考になれば幸いです。

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