教える側のモラル - 教える側の気持ち
教育は「教える側にモラルがあること」が大前提です。教育は信用があって成り立つビジネスですので、教える側が人格者であることが最低限の条件となります。ところが、ヴァイオリンの世界では今でもパワーハラスメントは当たり前、セクハラのうわさも多いし、金や権力に汚い人も数多くいます。
ヴァイオリニストというのは芸能人ですし、しかも伝統芸能ですので、一般社会の常識とは違う面が多々あります。芸能界だけでの常識なら観客やテレビの視聴者には関係ないことです。ですが、レッスンを受けるとなると、芸能人と直接接することになり無関係ではいられなくなります。
レッスン料だけに限定しても領収書を発行する個人教室は聞いたことがありません※1。現金を扱う商売なのにおかしいと思いませんか?領収書を要求をしても拒まれることも多いと聞きますし、払った払わないのトラブルも聞きます。金に関するモラルの欠如は人間として最低ですし、脱税をしているのなら社会的な制裁を受けるべきです。
もちろん、教える内容に関するモラルも重要です。自分がそのように教わったからと言って、いつまでも100年前のドイツの弾き方を教えている先生※2は不勉強であり、教える内容に関するモラルが欠如しています。教える側が天動説を習ったからといって、いつまでも地動説を認めないのは勉強不足ですし、指導者として有害な行為です。
セクハラ、パワハラはもってのほかで、これは犯罪です。そんな先生を頼っても近々一緒に沈むだけです。それにも関わらず、録音機やビデオカメラの持ち込みを拒む先生は多くいると聞きます。「その場で吸収しなければいけない」というのが、そういう先生の常套手段ですが、録音されてはまずいことがあると思うのがストレートではありませんか?
モラルのないヴァイオリン教師は、教わる側に必要以上に多く金を払うよう仕向けるし、秘密主義になるものです。自分の紹介で高額な楽器を買わせたり、レッスン回数を増やすようにしたり、内部情報を持ち出さないようにしたりです。いずれも、表面的には教わる側のメリットになるような説明をされますが、実際は大半が教える側にメリットがあることです。早い話が詐欺行為です。
いろんな話を聞けば聞くほど腹が立つのですが、少なくともわたしは、「教える側のモラル」を高く持って教えていきたいものです。その方が、教える側にも教わる側にも気持ちよいレッスン時間になるし、多くのことを効果的に教えられるとわたしは信じています。
※1 うちでは現金でお支払いの方には必ず領収書を発行しています。振り込みの場合は記録が残るため発行しませんが、その分手間がかからないため若干安くしています。
※2 うちにお越しの方で、習っていた先生が不勉強のケースは本当に多いです。この世界、やりたい放題だなと逆に感心してしまいます。
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